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大阪府吹田市にある「メシヤノミカタ」吹田工場を訪れました。広々とした工場の入り口をくぐると、複数の大きな機械やオーブンが整然と並び、白い作業着に身を包んだスタッフたちが真剣な表情で作業をしています。
この工場では、中華まんの「常識」を覆すような革新的な製品が日々生み出されているのです。代表取締役 島田裕之さんのご案内のもと、実際に製造ラインを見学しながらお話を伺いました。
なぜ「お肉や小麦を使わない中華まん」なのか

「メシヤノミカタ」という社名には、“飲食業に関わるすべての事に取り組む”という〈メシヤノ〉、そして“味方(関わる人の幸せ)・見方(多角的視点)・三方よし”という〈ミカタ〉の意味が込められています。
同社の理念は「三方よしの精神を持ち、飲食業を通じてすべての関係者に幸せと満足を提供し、社会に貢献する」こと。要するに「誰かの、何かの、ミカタになる」ことを企業活動の軸としているのです。島田さんはこの理念を実践するために、お肉や小麦を使わない中華まんという、従来の常識を超えた製品開発に踏み切りました。
「大阪に引っ越してきたとき、有名店の肉まんに長い行列ができているのを目にしました。でも、その行列に並んでいるのは日本人ばかり。イスラム教やヒンズー教、あるいは動物性原料を避けている方は食べられないですし、海外の方にも美味しい中華まんを味わってほしいと強く思ったんです」
島田さんは、こう語ります。現在、健康志向や宗教上の理由などで動物性原料を避ける方は世界中に数多く存在します。ならば「お肉や小麦を一切使わずに、なおかつ美味しく仕上げる中華まんを作ろう」と決めたことが、すべてのスタートだったそうです。
試行錯誤の末に誕生したハタケノ肉まん、そして米粉まん

「ハタケノ肉まん」は、その名の通り“畑”で収穫される野菜や大豆ミートを中心に作られています。特に大豆ミートについては、ただ一度に混ぜるのではなく、複数の工程に分けて加えることで、“普通の肉まん”に近いジューシーな食感を再現できるよう工夫しているといいます。
さらに注目したいのが「ハタケノ米粉まん」です。米粉はグルテンが含まれないため、フワフワな生地に仕上げるのが非常に難しく、パン職人としての豊富な経験を持つスタッフが配合や発酵時間を何度も調整した末、独自の製法を確立しました。卵や牛乳は使わず、国産の豆乳などで水分量を細かくコントロールすることにより、餅のようになりがちな米粉生地がフワッと軽やかな食感になります。
「最初に作ったときは本当に苦労しました。気温や湿度のわずかな違いで生地の発酵具合が変わり、B級品が多くなってしまったこともあります。それでも、健康志向の方や小麦を摂取しない方に美味しい中華まんを食べてほしい一心で、諦めずに改良を続けてきました」
と島田さんは話します。こうした執念とも呼べる取り組みの末、独特のもっちり感とふんわり感を両立した中華まんが実現したのです。
カレー粉や家庭料理のレシピにも隠された秘密

製品をさらに特徴づけるのが、そのバリエーションの豊富さです。カレー風味の中華まんでは、動物性原料を含まないカレー粉を探し出すところからスタートしました。さまざまなカレー粉を食べ比べした結果、とあるスーパーのプライベートブランドの味がベストであると判明。製造元に直接交渉して特別に仕入れを実現しました。

また、島田さんの家庭料理からヒントを得たラタトゥイユ味の中華まんは、夏に作る定番メニューをアレンジしたものだといいます。トマト、ナス、ズッキーニなどをじっくり煮込み、豆乳でコクを出した「お父さんの手作り味」が好評を博しています。こうしたレシピは「家族に安心して食べさせたい」という思いから生まれたもので、健康志向の高い人々や野菜好きの方々に支持されているそうです。
工場見学で感じる“人の手”の温もり

吹田工場を実際に見学してみると、思った以上に“人の手”を使った工程が多いのに驚きました。大きな包装機や混合機はあるものの、あんの調合や仕上げの成形など、スタッフが直接作業しているシーンが目につきます。
「包あん器」という機械を使えば、肉まんの生地に自動で具が入る工程を省略できるそうですが、それでも何らかの調整が必要な場面では、職人が手で微調整しているとのことでした。また、製造中に生地や具材が微妙に変化し、発酵の時間や蒸しの時間を都度確認する必要があるため、スタッフ間で絶えずコミュニケーションが行われていました。

「やはり特別な原料を使っているので、一般の中華まん工場のノウハウだけでは対応しきれません。例えば米粉まんの具合は、日によって大きく変わってきます。そこを私たちなりの経験値で見極めながら作っているんですよ」
こう話す島田さんの言葉からは、機械化だけでは実現できない細やかな調整が、この中華まんの味を支えていることが伝わってきました。
社会貢献への強い思い――1個売れるたびに1gのお肉を寄付

https://camp-fire.jp/projects/794010/view/activities/669910#main
メシヤノミカタでは、「ハタケノ肉まん」を1個販売するごとに1gのお肉を児童養護施設に寄付する活動を行っています。島田さんは長年にわたり学童保育に関わり、家庭の事情で栄養が偏ってしまう子どもを目の当たりにしてきたといいます。
「子どもが大きくなる過程で、良い食事や安心して暮らせる環境を提供するのは大切なことです。工場のある吹田市の児童養護施設に少しでも協力ができればと思い、ハタケノ肉まんが売れたら肉を寄付しようと決めました」
また、同社のパン部門である「ネコノミカタパン販売所」では、1個販売するごとに2円を保護猫施設へ寄付しています。猫好きが集まるイベントで試食販売を行うと、「購入が支援につながるなら」と多くの賛同を得られるそうです。このように、商品を選ぶ行為が社会貢献に直結する仕組みを作ることで、消費者のモチベーションにもなると島田さんは話します。
クラウドファンディングで広がる共感の輪

https://camp-fire.jp/projects/794010/view
同社はクラウドファンディングを実施し、多くの支援を集めました。その結果、宣伝費の確保や海外展開への資金として活用できるようになり、目標金額を大きく上回る支援が集まりました。
「お金を集めたいだけではなく、商品を多くの方に知ってもらう手段として、クラウドファンディングは効果が高いですね。実際に応援購入の形で中華まんを試してもらって、『美味しいし、社会貢献にもなるならリピートしたい』と言ってくださる方が増えました」
サポーターには健康志向や動物愛護、社会的意義に共感する人も多く、オンラインをきっかけに“ファンコミュニティ”が形成されているといいます。
海外で見えた大きな可能性

https://camp-fire.jp/projects/794010/view/activities/665645#main
島田さんは2025年1月、ハタケノ肉まんとハタケノ米粉まんの販路拡大を目指してドバイを訪れました。現地の経営者会議で試食を行ったところ、想像以上の好反応を得たそうです。
「ムスリムの方をはじめ、動物性原料が食べられない方が多くいる地域なので、植物性の中華まんは非常に可能性があります。『どこで買えるのか』『すぐに販売したい』という声を多数いただきました」
現在はインドやシンガポール、香港、さらにはアメリカでの販路開拓も進めており、将来的には現地のスーパーで取り扱ってもらうだけでなく、現地生産に切り替える構想もあるとのことです。
10年先のビジョンと「世界のファストフード」への道

島田さんは、今後の展望をこう語ります。
「日本各地の観光地や海外の主要都市で、イスラム教徒もベジタリアンもヴィーガンも、誰もが同じものを安心して食べられるファストフードを展開していきたいんです。抹茶を使ったスイーツや新作の中華まん、豆乳フラッペなどを組み合わせて、新しいチェーン店が作れたら面白いと思っています」
既に抹茶メーカーや飲食関連企業とも連携を図り、海外での本格的な出店や販売ルートの構築を進める計画とのこと。飲食を通じて世界中の人々が「おいしい」と感じられる選択肢を増やす取り組みは、これからさらに加速しそうです。
飲食業界は無限の可能性がある

インタビューの最後、島田さんはこれから飲食業界で起業したいと考える人々に向けて、次のようなメッセージを残しました。
「飲食業界は、どんなに世の中が変化しても、人間が食べることをやめないかぎりなくならない産業です。しかも日本の食文化は、まだまだ海外で伸びしろがあります。テクノロジーが進化しても料理そのものがなくなることはありません。新しい味やスタイルを生み出し、健康や環境、社会に配慮した食を広めていくことで、大きなチャンスをつかめると思います」
この言葉には、「誰かの、何かの、ミカタになる」という企業理念を体現しながら、国内外に新たな食体験を届けようとする強い意志を感じます。お肉や小麦を使わず、しかも美味しいという中華まんを開発し、社会貢献と海外市場への進出を同時に実現しようとする姿勢こそが、メシヤノミカタの最大の魅力といえるでしょう。
おわりに

メシヤノミカタは、革新的な中華まん作りと社会貢献活動を両立させ、「誰かの、何かの、ミカタになる」という使命を実践しています。児童養護施設や保護猫支援への寄付によって子どもや動物を支え、海外ではムスリムやヴィーガンを含む世界中の人々に向けて日本の食文化を広める試みを本格化させています。
大阪・吹田にある小さな工場で生まれた中華まんが、いまや国境を越えて人々の暮らしを豊かにする一歩を踏み出そうとしています。これこそが、メシヤノミカタの掲げる「三方よしの精神」が形になった姿ではないでしょうか。
「食」は誰にとっても身近なものだからこそ、大きなインパクトを持ち、そこにイノベーションや社会的価値を組み合わせることで多くの人を幸せにできます。メシヤノミカタの取り組みが、今後どのように世界へと羽ばたいていくのか、ますます目が離せません。
メシヤノミカタのハタケノ肉まん、ハタケノ米粉まんなどの中華まんシリーズは、オンラインショップでお取り寄せが可能です。お肉や小麦粉を使っていないにもかかわらず、ジューシーでふんわりとした食感をぜひご自宅で体験してみてください。食べることで社会貢献にもつながる中華まんが、皆さんの食卓に新しい楽しみをもたらしてくれるはずです。
下記のリンクから、メシヤノミカタの魅力あふれる中華まんをいつでもお取り寄せいただけます。気になる方は、この機会にぜひチェックしてみてください。きっと、毎日の食卓やおやつの時間が豊かになる一品と出会えるはずです。