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Team Energyは、Team Company(グループ企業)の成長や価値向上に貢献するために、中間持株会社を新たに設立しました。同社は、既存7社のTeam Companyを支援するとともに、年間10社の新しいTeam Companyを創出することを目指しています。
同社の役員に就任した代表取締役社長 田中正と取締役CPO(Chief Produce Officer)金田隼人は、理想的なTeam Energyのイメージとその実現のための成長戦略について話をしました。
田中 正
Team Energy株式会社 代表取締役社長
スポーツクラブで働き、オリンピック選手育成に情熱を注ぐ。37歳で社内ベンチャーで起こした事業でマザーズに上場。100人の社長を育成するという志を持って(株)アンビシャスを創業する。その後、(株)関門海(東二部) 玄品ふぐ展開の会社再建で代表取締役社長に就任。社長兼CFO、会長兼CEOを歴任して退任。現在Team Energy株式会社で代表取締役社長を務める。
金田 隼人
Team Energy株式会社 取締役CPO
1990年、埼玉県深谷市生まれ。大学在学中に、世界一周大学巡りを企画実施、複数社からスポンサーを募り23カ国50大学を訪問。2013年、教育会社の取締役副社長就任。「営業学」の研究をテーマにPBLを活用した独自プログラムを展開。2016年、株式会社ネームレス創業、代表取締役就任。大手企業・老舗企業など複数の企業や組織の新規事業に参画。2017年、大阪イノベーションハブ初の東京担当プロジェクトディレクター拝命。2019年から「プロデュースシンキング®︎(プロデュース思考®︎)」を提唱すべく研究活動・研修事業を展開。現在Team Energy株式会社でCPO(Chief Produce Officer)を務める。
会社の今期目標と、その実現に向けたプランについて
これまで各社は、新規事業への先行投資期間、つまり種を蒔き芽を育てる期間でした。したがって、今期の目標は、全社が利益を出すことですね。
現在、グループ全体(7社)で31億円の売上があり、そのうち昨期までは赤字企業が5社ありました。今期はもう既に全社黒字化で着地する目処が立っています。
会社経営において、従業員とその家族、そして会社を存続するためにも利益が一番大事です。経営戦略だけでなく、社長それぞれが数字に対する意識を強く持つことで、あらゆるリスクを回避できるようになります。
意識改革を進めていくようなカタチですね。
そうですね。今年は足元を固めることに注力していきます。それと同時に、2〜3年先を見据えて準備も進めていかないといけない。行き当たりばったりの経営では、会社を維持するのが難しくなってしまいますから。
会社の未来に向けて投資していくと。
はい。投資ということは必ずリターンを求めないといけない。社長なりにみんなビジョンがありますから、経費と投資を分けるように口酸っぱく言っています。
会社経営というのは経費⇄投資の繰り返しなんですよね。今年使うお金は経費、来期・再来期のために使うお金は投資になるので、順番に追いかけて行くイメージです。
経費と投資の違いを正しく理解できていないと、お金の動きや会社の成長速度をイメージできないんですよね。2〜3年後の会社のイメージを社長と共有することに時間をかけています。
中間持株会社となるTeam Energyの役割は、「新しいイノベーションの種を蒔いて正しく育てていくこと」です。田中さんを中心に、社長としてのマインド醸成や実務としてのエッセンシャルな部分の土台作りを進めています。
これまでは、各社単体で事業を推進してきました。今後は、社長向けの教育プログラム「Team Energy Academia」を定期的に開催して共通言語を作ったり、経営合宿を行なったりしながら、横の繋がりを深めていけたらと思います。
そして、社長同士が良いライバル関係を築けるような雰囲気作りや連携を強化していきたいですね。
最近は新しいTeam Companyを立ち上げて、新規事業を進めていこうという動きもありますね。
現在、M&Aも視野に入れつつ、年間10社の設立を目標としています。これまではスピード感を追求して会社を設立してきた部分がありますが、今は事前に社長候補者となる方と寄り添いながら事業企画・計画まで落とし込んで会社を設立するという流れを大切にしています。
経営資源を活かしながら進めていくためには、収益化や顧客獲得を考えていく必要があるので、段階を踏みながら黒字経営を目指していきたいと思っています。
黒字経営ができたら、田中さんがおっしゃっていたように販路拡大や供給体制の強化、採用などの投資をしていく段階に入るカタチですよね。
Team Energyとしては、森の中で種を蒔いて社長・事業を育てていくという考えがあります。今回ミッション・ビジョン・バリューを策定し直すなかで、新しくミッションに掲げたのが、「Innovationを起こし続ける場をつくる」こと。今の事業だけでなく、新しい事業・社長人材を作っていくことが世界観を実現するために必要な指標だと考えています。
中期的・長期的な会社の将来像
現段階で具体的な将来像を申し上げることは難しいですが、私のイメージする会社の将来像は各社が自立した経営ができていること。働く人が多様な個性や能力を最大限に発揮できる会社でありたいですね。それこそが、Team Energyが掲げる共経営だと思います。
あとは、各社のTeam Companyの社長たちがいずれ共走者(社長を伴走支援する経営のプロ)になっている会社になれば嬉しいですね。金田さんがおっしゃったように、社長同士が仲間意識を持ちながら、集合天才のような組織になれたらいいなと考えています。遅くても10年以内には理想のカタチを実現したいです。
※集合天才とは、各分野の突出した才能を集めれば、一人の天才をも凌ぐことができるという考え方。
Team Companyが大きな幹になるには、勝ち筋を見つけることが大事だと思っています。そのためには、行動しながら改善・改修していくことが重要です。
新規事業を立ち上げてすぐは、顧客を獲得できなかったり認知度が上がらなかったり、苦しい状況は誰もが通る道ですからね。
どんな施策を行いそれがどう成果につながったのか、また、事業が鈍化しスピーディーな展開ができないときにどう視点を変えて新しい可能性を模索したのか。苦しいときこそ課題としっかり向き合い、社長同士で共有する機会を作ることが勝ちパターンにつながるのではないかなと思います。
会社を大きくするには、大前提として情熱や意欲があることですよね。迷ったときに客観的な意見を聞けるのは、経験豊富な経営陣が揃うTeam Energyだからこその強みだと思います。
社長採用の際に意識しているポイント
私が意識しているのは、目的に頑固で手段に柔軟になれる人かどうか。結果を出すことに対しては頑固でありつつも、周囲の意見を取り入れて意思決定できることが大事だと思っています。
周りに流されず自分の信念を貫ける強さが必要ですよね。
はい。柔軟性や判断能力、意思決定のスピードなどは、意識して行動すれば自然に習慣化されるものです。最初から完璧にできる人はいません。会社を経営していくなかで、培われていくと思っています。
一般的には言い切れませんが、強いて挙げるとしたら感性を意識しています。感性は未来を見通す力に繋がると思っているので、質問に対する受け答えの内容は意識しますね。その方の感性って言葉に現れるんですよ。
あとは、徳(人間力)と才(スキル)のバランスも社長採用で意識しているポイントです。能力もスキルもほとんど変わらない2名がいた場合、私は徳が高い方を採用しますね。徳がないと人はついていきませんから。
社長候補となる優秀な人材の獲得は、常に模索しているというのが正直なところです。これまでは、リファラル採用で縁があった方を社長人材として迎え入れるというやり方でした。
最近考えるようになったのは、個人のスキルをもとに収益を得られる力を持ち、かつ事業づくりに挑戦したいという人が、Team Energy内で社長にふさわしい人材ではないかということです。いきなり社長になる道だけではなく、Team Companyの事業立ち上げや運営を経験後に代表になるという、社長へのキャリアパスを作っていきたいと思っています。
事業を立ち上げる0→1が得意な人もいれば、改修・改善しながら成長させていく1→10が上手な人もいます。社長も適材適所ですので、立ち上げフェーズと成長フェーズで社長を交代するというケースもアリだと思います。
Team Companyにとって共走者とはどういった存在であるべき?
Team Companyの社長が集まり、自社の業績や今後の方針を発表する正月会の様子
新しい体制作りの過渡期なので難しいですが、共走者として相手の志を大切にしてあげられる存在であるべきだと思います。「こういうビジネスモデルならうまくいく」という教え方ではなく、目線を合わせて、課題一つひとつに対して丁寧に話を聞く。正しく成果に向かえるように導いてあげることが、共走者の役割だと感じますね。
すぐに答えを求めていると、思考停止してしまうんですよね。
答えではなくヒントを与えることで、自立経営できるようになります。少し時間がかかっても、泥臭く試行錯誤を繰り返しながら行動できる人は逆境にも強いですから。
Team Companyにとって共走者は、起業家のすぐそばにいる起業家(アントレプレナービサイドアントレプレナーズ)だと思っています。
共走者は、事業や社長への理解、会社の当事者・客観的な立場などさまざまな考え方や捉え方、立場から会社を成長に導いていく存在です。社長の共走者(ペースメーカー)でありつつ、事業や会社を共創(クリエイト)していく立場でもあると思います。
田中と金田、互いの役割分担について
私と金田さんは対極的な性格ですね。金田さんが尊敬する人は渋沢栄一さんと聞いたとき、間違いないなと思いました。先ほど言った徳と才の話じゃないですけど、私にないものを金田さんは持っていらっしゃるのですごく仕事がしやすいですし、尊敬しています。
ありがとうございます。田中さんからそう言っていただけて嬉しいです。密にTeam Companyの社長とコミュニケーションを取りながら、相手の表情や話し方、数字の見方なども細かくフォローされていて、心の底からリスペクトしています。
金田さんみたいに人の頭の中にあるフワッとしたことをこんだけ言語化できる人ってそうそういないですよ。
ありがとうございます。田中さんがおっしゃったように対極ではありますが、根底は共通する部分があると思っています。
目指しているものは同じだけど、アプローチの仕方やルートが違う感じですよね。
田中さんが見据えている会社の実現に向けて、イメージを言語化したりわかりやすく相手に伝えられるようにすることが、私の役割だと思っています。田中さんと私は共走者でもあるので、役割分担をしながら良い方向に進めていきたいです。
さいごに
今回は、Team Energyの中間持株会社役員2名による対談をお届けしました。経験豊富な共走者が揃っているTeam Energyで起業すれば、1人で会社を経営するよりも成長スピードが格段にアップします。 社長になりたい方やスタートアップを経営していて事業拡大を目指している方は、Team Energyでその夢を実現してみませんか?