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Team Energyグループ各社が株主総会を同日開催した理由とは?
中島 直樹
株式会社AILE 代表取締役
Team Energy株式会社 取締役
2010年 中央電力㈱入社。Team Energyホールディングス構想から構築に関与。
社内ベンチャーにて事業再生コンサルティング会社の代表取締役に就任し、結婚相談所、フィットネスジム、WEBマーケティング会社等の経営を行う。
現在、全国展開するエステチェーンの経営を担いつつ、Team Energy取締役として経営管理を担当。
──まず、株主総会の内容についてお伺いしてもよろしいですか?
はい。今回の株主総会では、各社20分ずつ持ち時間が用意されており「事業報告」「決算の承認」「役員の再任」「役員報酬の決定」と進み、最後に本期計画の承認を受けるのが一連の流れでした。
例えば、各グループ企業が20分の持ち時間内で発信し、最終的な決議をTeam Energyの役員・代表で決議します。
──今回、株主総会を同日開催した理由を教えてください。
今回の株主総会には、Team Energyの全グループ会社だけに留まらず、設立1年目で定時株主総会を開催したことがないグループ会社にも年度方針発表として参加してもらいました
実は去年まで、書面だけで株主総会を終わらせてしまうグループ会社も複数あったため、この機会に株主総会を開いてしっかりと経営報告をしたいと考えたのが開催の理由です。
また、株主総会はTeam Energyが実施する事業にも関わる重要なイベントです。弊社が提供する経営者向けカリキュラムを考えるときにも、株主総会の流れをよく知らない方も多かったため、勉強の一環として開催したいと考えました。実際に株主総会へ参加してもらえば、社長としての基本知識や技術、そして会社法などを学べます。グループ会社に株主総会の流れを知ってもらいたい想いもあり、プロ経営者を育てるひとつのプロセスとして、株主総会を開催するに至りました。
ちなみに株主総会の同日開催は弊社でも初めての試みでした。最初は少し心配もありましたが、特に滞りなく株主総会を終了できたため、今ではホッとしてます。
──株主総会では、特に印象に残ったというグループ企業はありましたか?
やはり、トップバッターを務めてくれたグループ会社「株式会社Grandbois」が印象に残りましたね。とても良いスタートを切ってくれたなと思います。
Grandboisからは事前に資料作りの相談を受けていたのですが、株主総会にかける想いが違うと感じました。株主総会への取り組みがそのまま事業報告書に表れていましたし、重責のあるトップバッターを見事成功させて、後に続く企業へと良い流れを見事に生み出してくれました。
また株主総会の前日にGrandboisから「リハーサルがしたい」と発言があったことも印象的でした。株主総会当日では他グループ会社に説明の流れや方法をレクチャーしていたことも含め、事前準備も総評してMVPかなと思います。
もちろん、参加してくれたグループ会社の社長全員がしっかりと準備してくれていました。誰が1番、2番と決めるわけではありませんが、印象に残ったのはGrandboisというグループ会社ですね。
──株主総会の開催にあたり、Team Energyの計画に起きた変化や詳細になったポイントはありますか?
そうですね。Team Energyの計画は常にアップデートしているので、今回株主総会を実施して、グループ会社全体の精度が上がっていると感じました。やはり今回の計画を拝見すると、売上規模も年々成長していますし、チャレンジしたことが確実に利益へと反映されています。そういった面を考えると、グループ会社の意識や能力が日々変化しているのだろうな、と思いますね。
また今回の株主総会では、経営者のスキルアップが目に見えてわかりました。株主総会に対する準備のほか、イベントに取り組む姿勢などが見えたのはもちろん、事業達成に関する話をロジカルに説明してくれたことも含め、プロ経営者としてのスタートを切って着実に成長しているなと感じました。
特にTeam Energyグループの社長として欠かせないのが「出資と経営の分離」という認識を持つことです。株主総会は、経営責任を担うプロだという意識が色濃く出るイベントだと思います。どのグループ会社の社長も責任を持って発表をしてくれたため、今回の株主総会がガバナンスを強める良いきっかけになったと再認識できました。
さらにグループ会社の社長は、取締役任期が1年ごとに変わるほか、報酬なども1年周期で変化します。株主総会で決議を得られなければ、極端な話、報酬がゼロになるかもしれません。そのため株主総会を「自分がまた1年継続を努力する意思決定の場」として捉えてもらい、危機感・責任感を肌で感じてもらいつつ、準備や発表に取り組んでいただけるのが良いかと思います。
──今回の株主総会を踏まえ、来年の目標や改善したいポイントはありますか?
今回、株主総会を実施させていただいて思ったのですが、持ち時間を20分と決めなくても良かったのかなと感じました。タイトな時間配分の中で発表してもらう密度や内容を揃えていただいたため、来年からはもう少し柔軟な時間配分にしたいと考えています。また来年以降、さらにグループ会社が増えた場合、どのような配分にするのかも検討項目です。
もうひとつ運営者側の話として、事前準備にもっと時間と労力をかけるべきだったと感じています。初めての株主総会同日開催であったため、来年からはさらなる改善を目指していきたいと考えています。
グループ会社の社長が体感した株主総会への印象・気づきとは?
佐々木 裕実
株式会社Grandbois 代表取締役
株式会社ANY 代表取締役
大阪出身。アパレルの販売・接客を8年経験したのち、食パン事業の店舗立ち上げを3年16店舗を経験。
今後は食パンのみならず、地産地消を活かした新商品開発を行い食の事業を拡大していき、地元特産品とコラボした商品開発に力を入れる。
──株主総会では事前準備としてリハーサルもされていたと聞いています。詳しくお伺いしてもよろしいでしょうか?
はい。株主総会に参加されるグループ会社の社長陣は、おそらく初めての参加だったようです。ちょうど私のオフィスがTeam Energyとシェアさせていただいている兼ね合いもあり、当日の緊張をほぐすために、中島さんに声をかけ、リハーサルをお願いさせていただきました。
──どういった点に気を付けてリハーサルに取り組まれましたか?
そうですね。前提として台本を用意しており、持ち時間20分で話し終える練習はしていたのですが、当日の固い雰囲気の中で緊張せずにスムーズな説明ができるか不安を感じていました。特に私は株主総会のトップバッターを任されている状況でしたので、4名の役員がいる目の前でうまく話せるのかが不安でしたね。そのためリハーサルの時間は、いかに緊張せずに話せるかという準備に時間を費やしました。
──株主総会の発表において、どういった不安を感じていましたか?
やはり株主総会では赤裸々に自社の報告をしなければならないため、事業が前向きな部分だけでなく、後ろめたい話をする緊張に不安を抱えていました。また、これまでTeam Energyが実施してきた和気あいあいとしたイベントではなく固い雰囲気の催しごとであったほか、グループ会社だからといって甘い環境ではありません。結果を出せなければ終わってしまう恐れだってあります。そのため「もしかすると退任するかもしれない」といった不安を抱えながらの登壇となりました。ただ株主総会で無事決議をいただけましたので、今ではかなりホッとしています。
──Team Energyの役員の方たちから株主総会のフィードバックはいただきましたか?
はい。弊社は従業員数が多いので、人材やマネジメントに関するお話をいただきました。例えば、社長という視点からどのように計画すべきなのか、今後どのように事業戦略を立てていくのかといった話のほか、従業員への愛情をもっと深掘りして接しなさいといったお言葉もいただきました。
──株主総会で得られた「気づき」はありますか?
そうですね。まず、私は社長に就任してから8期目を迎えましたが、株主に対する報告の重要性を再認識しました。ただ書類として報告するのではなく、形式的な場で報告することにより、グループ会社としての姿勢、株主への経緯を伝えられると感じています。
また私自身としても良い経験になったと思います。株主総会で感じた緊張は人生で初めて感じるくらい大きなものでした。ただこういった緊張感のあるイベントが開催されるからこそ、日々社長としての業務マネジメントにも活かしていけるのかなと感じています。会社のガバナンス的にも、やはり株主総会といったイベントは、まとまりを生み出すためにも定期的に開催すべき良いイベントだと思いますね。