2024.08 16

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地球規模の課題解決を目指す挑戦者が集結!「CEOオーディション -NEXTユニコーン-」チャレンジステージ開催レポート


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地球規模の課題解決を目指す挑戦者が集結!「CEOオーディション -NEXTユニコーン-」チャレンジステージ開催レポート

目次

地球規模の社会課題に向き合うユニコーン企業の創立を目指し、未来の社長候補を募集した「CEOオーディション  NEXT ユニコーン-」。その最終審査となるチャレンジステージが、6月29日に開催されました。

チャレンジステージは1次・2次審査を通過した合格者のみが参加でき、自身のビジョンや起業に対する熱意をプレゼンテーションする場となります。審査を務める株式会社TBMやTeam Energyからは、創業・グロース支援やグループ内での事業化、業務提携、メンタリングなど、合格者のニーズに合わせた様々な支援が提供されます。

当日は約1ヶ月間の審査を勝ち抜いた11名の合格者がそれぞれプレゼンテーションを行い、山﨑敦義氏(株式会社TBM代表取締役CEO)、羽鳥徳郎氏(株式会社TBM執行役員CSuO)、中村誠司(Team Energyグループ代表)、田中正(Team Energy Growth株式会社代表取締役社長)によって審査が行われ、具体的な支援内容を決定しました。

今回はとくに高い評価を獲得した7名のプレゼンテーションの概要をご紹介します。

三宅景子

三宅さんは「シングルマザーの自立と生活レベルの向上」を目指し、「CEOオーディション-NEXTユニコーン-」に挑戦しました。現在は「トガラセ屋」としてプロデュース業を営む三宅さんですが、シングルマザーとなった直後にはプロダンサーとしての職を失い、家を借りることもままならないほどの苦労を経験したといいます。

しかし、「娘のためにダンスを諦めたと言いたくない」と、執念でダンススクールを開設。SNS強化やメディア活用で教室運営を軌道に乗せて、現在はダンスとブランディング業の二刀流で活躍しています。

こうした経験を踏まえて、シングルマザーの半分が貧困世帯に陥っているという現状を少しでも変えるために掲げたのが「ママビル」。廃校の校舎や空きビルを活用し、保育施設や病児保育、こども食堂などを集約した拠点を作り、シングルマザーの子育て・自立をワンストップで支援する事業を提案しました。

また「ママビル」に賛同してくれる仲間を集めるために、テレビ番組のディレクション経験を活かし、社会課題に挑戦する経営者や女性を後押しする自社番組を制作したいという思いも伝えました。

最後に、今回の「CEOオーディション-NEXTユニコーン-」への挑戦を通じて、自身の事業に少しでも共感してくれる方が増えてほしいと語り、プレゼンを終えました。ジャッジの結果、中村氏よりブラックカードが送られ、そのほかクリムゾンカード3枚を獲得しました。

原田杏子

原田さんが解決したい地球規模の課題として挙げたのは「少子高齢化」で、生殖遺伝子の長期凍結保管とコールド物流によって、生命誕生のハードルを下げようと挑戦を続けています。

原田さんは父の会社を承継するかたちで物流の世界に入り、2020年に医療専門の物流会社「五條メディカル株式会社」を設立、コールドサプライチェーン事業を展開しています。

企業理念は「大切な誰かを守る」で、これはもともと原田さん自身に事業者になりたいという目標がなかったため、事業を営む覚悟を決めるために考え抜いたものだといいます。そしてこの企業理念を体現するために目をつけたのが、-100℃の物流と再生医療でした。そんな折に新型コロナウイルスによるパンデミックが発生し、ワクチンの輸送を担うことですぐさま事業を軌道に乗せることに成功しました。

今後は医療法人化も視野に入れつつ、再生医療製品の輸送や特許取得済みの抗体を活用した商品開発なども推進していき、「社会課題の解決」と「経済の循環」の2つの柱で事業を展開していく展望を明かしました。

最後に、事業を発展させることで社会にとってより良い「お節介」ができる「社会の母」となり、愛と親切の提供に躊躇しなくていい社会を作りたいと宣言して、プレゼンを終えました。

ジャッジの結果、田中氏よりクリムゾンカードとゴールドカードの2枚が提示され、山﨑氏もクリムゾンカードとブラックカードを提示、中村氏からもブラックカードが送られるなど、高い評価を獲得しました。

藍原朋弘

藍原さんは幼いころから「昆虫博士になりたい」という夢を持ち、今も早稲田大学で昆虫の研究を続けています。そんな藍原さんがテーマとして掲げたのが「昆虫で世界を変える」。

藍原さんは現在も多くの人に昆虫の魅力やポテンシャルを知ってもらうために、「ムーンショット型研究開発事業 目標5「地球規模の食料問題の解決と人類の宇宙進出に向けた昆虫が支える循環型食料生産システムの開発」学生社会実装グループ『K-1タスクフォース』」代表を務めるなど、研究以外の面からも活動を続けています。そんななかで藍原さんは「モノが世界的に広まっていくためには、社会課題の解決を担う必要がある」という点に着目しました。

実際に昆虫の社会的な活用についても、古くは蚕業、現在は昆虫食が持続可能な食材として注目されています。こうした事例から、昆虫を世界的に広めていくためには昆虫によって世界的な社会課題を解決する必要があると気付き、「CEOオーディション -NEXTユニコーン-」への挑戦を決意したと説明しました。

今後は、ネガティブな印象を持たれやすい昆虫食のイメージを魅力的なものにする方法を模索しつつ、科学者としては博士号を取得し「第2の蚕」となるような地球規模で革命を起こす昆虫を見つけたいと目標を掲げました。

最後に「虫にかける情熱は誰にも負けません。虫と共に生きていくと心に決めており、必ず昆虫を使って社会にインパクトのあるアクションを起こします」と熱く宣言し、自身への投資を呼びかけてプレゼンを終えました。

ジャッジの結果、山﨑氏がクリムゾンカードとゴールドカードを提示し、中村氏からもゴールドカードが送られ、合計でゴールドカード2枚、クリムゾンカード3枚と、その将来性が高く評価されました。

羽根岡泰嗣

羽根岡さんが解決したい地球規模の課題は、「持続的な畜産酪農業界の実現」。まず、自身が立ち上げたNOWALL株式会社での取り組みについて紹介しました。

地球全体の温室効果ガスのうち、4%が牛のゲップに含まれるメタンが占めていると言われており、畜産・酪農業界の大きな課題となっています。これに対して羽根岡さんは、カーボンニュートラルを切り口として、畜産・酪農のアップデートに挑戦しています。

なかでも既存のカーボンクレジットについては、削減主体がリスクを受け入れてスタートしても効果が出るまでに時間がかかって行動変容に繋がらないと考え、独自のカーボンクレジットチェーンを構築。北海道の畜産農家と共同でメタン削減に取り組みました。

ただ、こうした取り組みからは成果だけでなく、「より削減効率の高い餌の必要性」「コストの高騰と生産抑制」といった課題も見えてきたそうです。

畜産・酪農には山積みの課題があり、それらを一つずつ改善できるような働きかけを続けたいと語り、プレゼンを終えました。ジャッジの結果、田中氏がクリムゾンカードとゴールドカードを提示し、中村氏と羽鳥氏からもゴールドカード、山﨑氏からはブラックカードと、今回のチャレンジステージのなかでも最高クラスの評価を獲得しました。

山村ナターシャ彩

山村さんが掲げたテーマは「海藻養殖が切り開く新たな世界」で、海洋汚染の解決を目指し、自身が立ち上げた会社「Algae Scope」の代表として活動しています。

山村さんは、当時から現在に至るまで海運業界で働いています。フランスで大学院を修了した後に元同僚と経営者を務めることになりました。そして2020年より移り住んだベネチアで、水質の環境汚染の問題と出会います。

水質の環境汚染は私たちの生活にも直結しており、二酸化炭素の半分を吸収するといわれる藻場は、ここ10年で著しく減少しているといいます。これにより「海の砂漠化」が進み、海の生き物が減って水質が低下し、水位・水温上昇によってさらに海藻が育たなくなるという悪循環に陥っています。また、プラスチックによる海洋汚染も重要な課題であり、様々な健康被害につながると指摘されています。

こうした問題に立ち向かうべく、山村さんはオンラインサロンで出会った約140名ものメンバーとアイディアを出し合い、ベネチアで海藻養殖を始めました。海藻には木の5倍もの二酸化炭素吸収力があり、マイクロプラスチックの除去にも寄与するからです。

ただ、外国の食文化では海藻はあまり用いられないため、ビジネスモデルとしては海藻をバイオ素材やバイオ燃料とすることで企業の利益とし、海洋環境の向上と海辺地域の活性化という「Win-Win-Win」の形を作りたいと展望を語りました。

最後に、「海藻ビジネスの魅力と可能性を広めて、共に推進する仲間を募りたい」とプレゼンをまとめました。ジャッジの結果、田中氏がクリムゾンカードとゴールドカードを提示、山﨑氏と羽鳥氏からもゴールドカードが送られ、非常に高い評価を獲得しました。

重野由佳

重野さんは「農業のハードルを下げることで世界の食料危機を防ぐ」をテーマに、センサー技術を活用したアグリテック・フードテック事業をプレゼンしました。

これまで日本、オーストラリア、シンガポールと移り住み、ネイリストとしての成功や3回の起業を経験するなど、一つのことに留まっていられないと自分を評します。

そんな日々のなかで今回の事業に行き着いたのは、「日本の伝統や生産者を守りたい」という思いでシンガポールに開業した和カフェがきっかけでした。飲食業を営むなかで「もっと根本の素材から関わりたい」という思いが強くなり、農業体験をするために単身でインドネシアへ。農作業や農家さんとのやり取りを通じてフードテック・アグリテックへの関心が高まりました。

そんなときに出会ったのが、シンガポール大学のアントニオ教授。彼の開発したグラフェンセンサーは、土壌の状態や水分量といった様々な情報を獲得、瞬時にデータ化できるというもので、これを活用してAIが提案する最適な行動を取れば、農業初心者でも安定的かつ栄養価の高い農作物を作ることができるというモデルを考案しました。さらにこのセンサーは、発酵食品の管理や人間の栄養管理にも活用でき、ビジネスモデルはさらに大きく広げられるそうです。

一倍元気で、どこの国にいても健康体であることを自負する重野さん。「この力を地球に還元させてから死にたい」と熱い思いを語り、プレゼンを終えました。

ジャッジの結果、田中氏がクリムゾンカードとゴールドカードを提示、山﨑氏と羽鳥氏からもゴールドカードが送られ、非常に高い評価を獲得しました。

谷口彰

谷口さんのテーマは「不老長寿大国」。趣味の読書を続ける中、ここ数年で老化関係の書籍を見かけることが増え、関心を持ったといいます。調べていくと「老化」は生物学的な概念、「老い」は人間学的な概念であり、谷口さんはCEOオーディションに挑戦するにあたって「老い」の常識を覆すことを目標に掲げました。その決め手となったのが高齢の祖父母との会話で、人間関係の希薄化による孤独感と不安を感じ取り、自分が解消してあげたいと決意したそうです。

事業内容については構想段階ではあるものの、先行研究や学生時代に行なった宿泊図書館の事例から「良好な人間関係」や「社会的な結束」がなによりも重要と感じ、人間関係について共有できる居場所(サードプレイス)の構築を目指しています。また、物理的なハードだけではなく、AIやVRといった技術の活用も視野に入れているそうです。

事業内容が構想段階であることを踏まえて、事業についての助言やサポート、老い方や死生観について共感してくれる方の協力を求めてプレゼンを終えました。ジャッジの結果、中村氏よりブラックカードを獲得し、他の審査員それぞれからもクリムゾンカードが提示されました。

計11名のプレゼンテーションが終わり、送られた支援内容の内訳は、ブラックカード(創業支援)7件、ゴールドカード(事業化・提携検討)14件、クリムゾンカード(メンタリング)28件にも昇りました。

また、これに加えて各社から特別賞の授与が行われ、羽根岡泰嗣さんが「TBM賞」、山村ナターシャ彩さんが「Team Energy賞」、藍原朋弘さんが「一般社団法人ベンチャー・企業支援機構賞」を受賞しました。

▲「TBM賞」を受賞した羽根岡泰嗣さん

▲「Team Energy賞」を受賞した山村ナターシャ彩さん

▲「一般社団法人ベンチャー・企業支援機構賞」を受賞した藍原朋弘さん

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