TEAM ENERGY TEAM ENERGY

2024.10 27

インタビュー

「AIで誰もが社長になれる時代」AI企業を立ち上げた2人が考えるAI時代の起業スタイル


    Warning: Invalid argument supplied for foreach() in /home/xs168361/teamenergy.co.jp/public_html/teamenergy-wp/wp-content/themes/teamenergy-2023/single-magazine.php on line 30

「AIで誰もが社長になれる時代」AI企業を立ち上げた2人が考えるAI時代の起業スタイル

目次

近年、活用の場面が広がっているAI。

使い慣れない方にとっては「よく聞くけれど、どう活用したらいいかわからない」「AIをどのように起業やビジネスシーンで活かすべきか悩んでいる」とお思いの方もいると思います。

実はTeam Energyでも、AIに関する事業を起業した社長が2名いるんです。

そこで今回はAI起業を行った2名に、体験談や実際の活用法、AIを使った企業についてお話をうかがいました。

プロフィール

株式会社キャナルAI 代表取締役
中村 陸海
大学卒業後、エネルギー事業のファイナンス部門に従事。2024年7月よりTeam Energyにて株式会社キャナルAI代表取締役に就任し、AI事業に取り組んでいる。

ツナガルAI株式会社 代表取締役
大内 結貴
研究職から教材制作、マーケティング、化粧品開発などさまざまな仕事を経て自身で会社を作りたいと思うようになり、2024年8月にTeam EnergyグループでツナガルAI株式会社を設立。

AIとの出会いで見つけた新たなビジネスチャンス

ーーAIの企業を立ち上げた経緯について教えてください。

大学のときは文系だったので、AIやシステムについては学んでいなかったです。卒業後はエネルギーの業界に就職し、ファイナンス業務に従事していました。新人の頃は議事録作成を行うことが多かったのですが、1つ作成するのに3時間くらいかかることもあって……そんな時に議事録AIに出会って、作業が10分で終わったんです。その驚きから「働きながらAIをどう使えるかな?」とAIに興味を持つようになりました。

AIを学んでいくうちに、AIを活用して起業できるなと気づき、2024年4月に「株式会社キャナルAI」という会社を立ち上げました。

キャナルAIでは法人向けにAI導入支援を行っています。具体的には「どうやってAIを使っていけばいいのかわからない」「AIに可能性は感じるけれどハードルが高い」と感じている社長さんに対して、AIはこういうふうに使えるんですよとレクチャー。Chat-GPTの使い方のような初歩的なところから、業務課題をヒアリングしてAIのプロンプトで解決していく上級編のようなものまでお教えしています。

私はAIの導入支援を企業向けに行う「ツナガルAI株式会社」という会社を立ち上げました。生成AIを使ってどのように業務効率を上げられるかや、AIを使って人手不足を解消する方法など「業務改善へどのように生成AIを活用していくのか」というテーマで勉強会を行う事業をしています。

それまで私は転職でいろいろな職種を経験していたんですが、徐々に「自分で事業を作りたい」「起業したい」という想いが強くなり、いろいろ動いていたというのが前提としてありました。アイデアも一応あったのですが、なかなかうまくいかなくて……。そのタイミングでTeam Energyに出会い、一緒に起業しようという話になったのがきっかけです。

AIというトレンドと、今までPMやファシリテーターをやってきたバックグラウンドがあったので「AI×ファシリテーター」という事業を立ち上げようってことになり今に至ります。

ーーお二人の事業が目指している方向は、まったく一緒というわけではないんですよね。

私は企業向けに事業を展開していき、どんどん研修内容を新しくしていくイメージです。

私は今後toCの方向にいきたいと考えていて、AIを活用して個人が自分の可能性に気づくとか才能を伸ばす方に向いていきたいですね。

人間の判断やキャッチアップの重要性が高まっている

ーー起業までの流れや、事業を構築する際にどのようにAIを活用したのか教えてください。

既にあるAI導入支援の研修を行っているビジネスモデルを見てモデリングしました。ただ既存のものをそのままモデリングするのではなく、見せ方や改善点などを考えて自分なりのモデルにしていこうかなと思っていました。

最初はAIについて教えるのがメインでしたが、やっていく中で企業さんの課題を聞く機会が増え「課題解決」という方向に移ってきています。自分のモデルを作っていく中でも、案出しなどでAIを活用しましたね。特にわからない業界の課題などをAIに生成してもらい、営業資料作成や課題解決方法の提案などにも活かしています。AIによって付加価値をつけていったようなイメージですね。

私は、Team Energyが既に請け負っているAI導入の勉強会の引き継ぎから参加させてもらったので、その経験を活かしています。ただ勉強会はやることや流れが言語化されていなかったので、それをAIを活用しながらマニュアルに落とし込んでいきました。

ほかにも事業計画を立てたり、知らない業界の課題を先回りして考えておいたり、実際の課題解決方法もAIを活用しながら進めていますね。事業計画を立てるのに必要なフレームワークを聞いて、その内容を埋めるための質問をAIから聞いてもらうようにしていましたよ。

ーーAIを活用するメリットや課題はどのような部分だと思いますか?

初めはどうやって営業していくべきかがわからず……そこで活用したのが検索に強いAI。業界の課題を出してもらい、この課題をAIで解決する方法を聞きました。リストアップされた方法を精査しつつ、自分の知見と掛け合わせながら提案を固めていきます。提案資料もAIで作成できますし、メールの返信なども対応可能。1人ではできない作業もAIを活用すれば可能になります。これは大きなメリットですね。

ほかにも自分では考えられないような内容の課題を出してくれたり、解決案を補助して出してくれたり、さまざまな場面で活用可能です。

私は大きく2つのメリットがあると思っています。ひとつは自分が知らない業界や仕事の内容でもある程度の情報を得て、そこから思考を進められること。もうひとつは議事録やスライドの作成などに使っていた作業時間を、大きく短縮できることですね。特にAIは文章作成が強いので、今まで浪費していた言い回しを考える時間を無くすことができました。

便利な反面、AIはあくまで手段。たとえば「営業活動へAIを介入させたい」と考えた時、資料の作成や内容を考えられても、伝えるのは人間がやることです。そもそもサービスがいいものでなければ、営業しても成功しないですよね。コンテンツは作れても、すべてを解決してくれるわけではありません。

たしかに、お客様のなかにも「AIを使えばなんでも解決できる!」という方もいらっしゃいます。私たちも普段触っていますが、どこまでがAIの限界なのかは、かっちり線引きできるものではないんです。AIから出てきた回答も、その時によって結構違ったりするので……「AIに出してもらったから完璧」ではなく、疑う思考が必要かなと思います。

ーーAIのアウトプットに対して判断できる知識や経験が大事なんですね。

いろんなAIツールが出てきてできることは増えてきているんですが「ここまでできる」「ここからはできない」っていう線引きを日々自分の中で更新していかなければ、AIを使いこなすのは難しいことだなと思っていて。たとえば少し前のGPTは数字が弱く、計算は苦手だったんです。でも先日出た新しいモデルだと、数学オリンピックで80点取れるくらいの精度になってきている。日々の情報のキャッチアップっていうのが大事になってきてるなと痛感しています。

AIが発達しても話ができる「共走者」は必要!

ーー起業にあたって、Team Energyグループの役割や役立ったポイントなどはありますか?

私はもともと、Team Energyグループの中で起業するか個人で起業するかすごく迷っていました。最終的に選んだ理由は、バックオフィスの作業業務の軽減や共走者がいることが、自分が事業を伸ばすにあたって魅力だと感じたからです。

私も共走者がいることが大きかったですね。あとは最初の資本金を出していただけることや、伴走しながら事業計画も一緒に立ててくれるなど、起業のためのお膳立てをしていただけることも魅力でした。

ーーAIを活用されているお二人から見て、Team Energyの「共走者」が必要な場面はどんな時ですか?

最初にアイデアを絞り込んだり、その中で実現可能なものを探していくっていうところは必要なんじゃないかと思います。

AIはなんでも出してくれる分、自分を肯定してくれたり偏った意見を出してしまったりします。最後の意思決定は人間がやることだと思っているので、メリット・デメリットを聞いて「どう見極めるか」は経験が必要だと思うんです。その場面では「共走者」の意見が参考になりますね。

ーーAIによって、経験豊富なビジネスマンや共走者がいなくても事業を運営できる時代が来ると思いますか?

可能性としてはあるかもしれないですが……。AIと会話してる時に感じるのは、その話題にしかフォーカスしないというか、話を深めることは出来たとしても別の視点が入ってきづらくなるなと思っているんです。その点、人と話してると別のアイデアがポコッと出てきたり、会話が脱線したように見えて実は新しいアイデアが生まれたり、そういうことがあるんですよね。AIが共走者に取って代わるかというと、微妙な気がします。

経験者の知識がすべてAIに落とし込まれて回答してくれるAIができれば、すごく魅力的だなと思う一方、課題も2つあると思っています。1点目は人間の不完全な部分が新しいクリエイティブに繋がるので、それが取って代わるのがいいのか?という点。2点目が、知識すべてをデータ化するのが難しい点です。言われればわかるけれど自分から出せない情報や知識って多いんですよね。そういうところが課題になってくるのかなと、個人的には思っています。

AIの可能性は無限大!少しの興味も掘り起こして起業できる可能性も

ーー身近でAIを活用しているお二人にとって、AIビジネスの可能性にはどんなものがあると思いますか?

AIのビジネスの可能性は無限大だなと思っています。

インターネットが出てきた時代に、今まではファックスや手紙で連絡していたものがメールに置き換わりました。当時のメールはすごく使いにくくて誰も使いませんでしたが、今は当たり前のようにメールを使う時代になっていますよね。

AIも今は、GPTの画面を開いて打ち込んで返ってくるのを待って、また自分なりにプロンプトを考えて……という面倒な工程があります。それが今後「AIがないと生活できないよね」みたいな時代が来るはずです。今後インフラ化していくようなAIを、どう使うか考えていくことに、すごく価値があるなと思っています。「なんでもAIでできる」と考えるのではなく、今の業務をどうやってAIで拡大していくか、そういう考え方でビジネスを組み立てていく必要があるなと考えています。

ーーAI起業と聞くと、AIのプロダクトを開発するようなイメージを持たれがちですが、AIを活用して業務を効率化してビジネスモデルを作るという考え方ですよね。

そうですね。AIを使って今の課題を解決するという考え方なので、新しい可能性を探していくのが重要です。AIと自分の得意分野とを掛け合わせることで、より飛躍的に効果が上がるのかな、と思います。

私もほぼ同意見で「AI×○○」とAIが主語に来るよりも「○○×AI」っていう感じの方がAIを活用できると思っています。特にスモールビジネスにおいては、AIと何かを掛け合わせれば、何もない状態からでも起業は可能なのかなと。みんな社長になれる可能性をAIは秘めていると思います。

やりたいことに専念して、それ以外のことをAIに任せられるという意味で「AIがより人間を人間らしくさせる」ということが言われています。AIをどう働かせるかによって自分がより人間らしく生きることに注力できる。そのひとつが自分にとって社長という手段だと思っていますね。

ーー起業を迷っている同世代へのメッセージをお願いします。

私は小さい頃からずっと「かっこよくなりたい」、「お金持ちになりたい」とか、そういう単純な気持ちで経営者になりたいと思っていました。私はたまたまAIに出会い、可能性を感じて起業まで行くことができました。もし同世代で起業を迷っている方がいるのであれば、まさに今踏み出すべきかなと思っています。AIはブームが始まって間もないですし、Chat GPTが出た2022年の11月がスタートラインと言われています。AIの進化とともに「AIとどう関わっていくか」そんなふうにAIに伴走していける人であればスタートラインはほぼ同じ。

もし迷っている人がいるならば、ぜひ一歩踏み出して起業してみる。わからないことがあればわかる人に聞きに行ったり、連絡取ってみたりしていってほしいですね。

私は今33歳で、この年齢だとある程度仕事をしてきて、会社員だったら重要なポジションをそろそろ任されて……と「起業したいけどどうしよう」と迷うフェーズだと思うんです。ただ起業にはいたらなくても、AIが出てきたことで副業やクラウドソーシングで仕事を受けるなどが手軽にできる時代になってきています。AIを使いつつ興味の赴くままに手を出してみて「この分野で起業してみたい」とちょっとでも思ったら、どんどん飛び込んでみる方がいいのかなと思ってます。やってみたいことは諦めず、ちょっと手を出してみてから深めるといいですよ!

お問合せ Contact Us

弊社へのご質問、ご相談、その他のお問い合わせ、
採用に関するお問い合わせはこちらからご連絡ください。