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2024.01 09

インタビュー

学生アスリートの就活を支援したい!安田浩の55歳からの挑戦


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学生アスリートの就活を支援したい!安田浩の55歳からの挑戦

目次

会社役員の立場を手放して55歳での起業

──株式会社ハンドリングの事業内容について教えてください。

学生アスリートを中心とした人材紹介サービスとなります。将来的には、アスリートのセカンドキャリア支援などにも取り組んでいきたいと考えています。

──Team Energyで社長になられたのはいつ頃でしょうか。

2023年9月に会社を設立できました。準備は2022年12月頃から始めて、前職の仕事を行いながら少しずつ進めた感じですね。最初の5、6ヶ月はTeam Energyの金田さんをはじめとした皆さんと何度も議論を繰り返して、事業テーマを検討しました。それを具体的な計画に落とし込み、現在に至っています。

▲日本ハンドボール協会の運営スタッフとして全日本選手権に参加した

──会社名の由来を教えてください。

当初は、私が長年取り組んでいるハンドボールにまつわる言葉にしようと候補を出していたのですが、どれもしっくり来なくて。そんなときにTeam Energy取締役の金田さんから「ハンドリングはどうですか」とご提案いただきました。アスリートの就職活動をハンドリングするというのが一番の意味で、ハンドボールも連想できて気に入っています。

──安田さんはもうすぐ55歳とのことですが、そのご年齢で起業という選択はなかなか勇気のいることだと思います。

今まで仕事と両立してハンドボールという競技に関わってきたので、最後にそこでの繋がりを活かした事業ができたらと踏み出しました。もう少し早く始められたらよかったかなと、今になっては思います。

▲16年前、ゴルフ中継で営業として現場立会いをしている時の写真

──TV制作会社の役員という立場を手放し、社長として新しいキャリアを踏み出すわけですが、もともと起業の夢を持っていたのでしょうか。

実は「社長になりたい」といった欲はほとんど持っていなくて、僕が魅力を感じる仕事は人をサポートしていくことでした。前職で役員を引き受けた理由も、若手を引き上げるような発想で新しい事業に取り組み、将来入社する人たちが魅力を感じられるような会社にしたいと思ったからなんです。

ただ、他の経営陣は職人気質で「そんな冒険をしなくても、このまま今の業態を続けてたらいいんだ」という考え方で、周囲からも「外へ出て他のところで挑戦したほうがいいんじゃないか」と勧められていて。そんななかで、常々考えていた「スポーツを通じた社会貢献がしたい」という思いが強くなっていきました。

僕は社会人になってからもハンドボールを続けてきて、仕事でもスポーツ中継などを通じて様々なスポーツに関わってきました。だから常々「スポーツに対して貢献したい」という思いを持っていたんです。

就職活動に悩む学生アスリートの手助けがしたい

──「学生アスリートに特化した人材紹介サービス」という事業に行き着いたきっかけを教えてください。

僕は関西学生連盟の事務局長も務めていまして、この活動を通じてかれこれ10年近く学生たちと接しています。その子たちを手助けできないかと思ったのがきっかけです。

──学生アスリートならではの就活の悩みを間近で見てきたわけですね。

その通りです。学生アスリートは競技のために、大学生活の多くの時間を練習や活動費の捻出に費やしています。そのため、どうしても就職活動が後回しになってしまい、就職で悩む学生が多いという問題があるんです。

あとは僕自身も企業に長く務めてきて感じるのですが、体育会系の学生を必要としている企業は非常に多い。この点をマッチングできないかというのが一番のポイントです。

──体育会系の学生は就職活動でも自己PRをしやすく、楽に就職が決まるという印象を持っていました。

実は、就職活動でスポーツでの活躍や努力を活かしきれない学生は、意外と多いんです。就職が決まった学生たちの話を聞いていると、クラブや部活動のことはあまり聞かれないそうで。とくに採用人数が多い企業は、まず大学の名前やブランドでふるいにかけて、次にクラブ活動を評価するという優先順位があると思います。ですから我々が企業に対して、学生アスリートの成果や努力を売り込んでいく役割を担いたいと考えています。

──スポーツで成果を上げていても、大学の知名度で劣るために評価されない学生がいる。

「スポーツしかやってきていないだろう」と、穿った見方をされてしまう学生も多いようで、その辺りのアピールを代行して就職活動の成功に導いてあげたいですね。

──体育会系学生ならではの強み、それが企業にとってどのような魅力となるかを教えていただけますか。

企業は礼儀作法を身につけており、向上心の高い人材を求めています。その点で体育会系の学生は上下関係や集団行動によってコミュニケーション能力を鍛えていますし、目標達成に向けたバイタリティや忍耐力を身につけていますので、他の一般的な学生との差別化になると思います。

例えば営業力を強化したい企業であれば、やはりガッツがあって、人付き合いに慣れている人材を欲しているはずですから、職種の面でもうまくマッチングを図っていきたいと考えています。

競技を続けることでメリットが生まれる形を作ってあげたい

──実際に会社を立ち上げて、苦労している部分はありますか。

恥ずかしながら会社役員を経験しても気づいていなかったのですが、今まで僕は仕事を肌感覚でやっていたなと感じています。頭に詰め込んだ様々な情報や発想を具現化していくのは非常に難しく、すごく苦労していますね。

──創業後に変化したことなどありますか。

関西学生連盟の活動のなかで、学生から「事業をお手伝いしましょうか」と声を掛けてもらう機会が増えて、非常に嬉しく思っています。実は、学生を指導する立場の自分が、人材紹介という営利的な事業を行うことに後ろめたさを感じる部分があったんです。

しかし、学生たちのなかには連盟の運営や企業との関わり方に関心を持つ子も多く、むしろ「お手伝いさせてほしい」と言ってくれています。その分、僕も彼らの就職活動や競技面をもっと手助けできるようになろうと、気持ちを新たにしています。

──学生からしても、ハンドリングのような会社が就職活動をサポートしてくれるという安心感があれば、スポーツにより一層打ち込めるのではと思います。

言い方は悪いですが、今まで多くの学生アスリートは、競技に取り組んでいても具体的なメリットが得られなかったと思うんです。そんな環境を変えて「競技を続けていたからこそ、就職活動が成功した」と、メリットが生まれるような形を作ってあげたいなと思っています。

──最後に、会社・事業をどのように成長させたいか、今後の展望をお聞かせください。

事業の目標としては、ハンドボール以外のアスリート、スポーツ選手も取り込んでいきたいです。将来的な目標としては、スポーツ選手のセカンドキャリアとして、チームエナジーで社長を目指すところまでサポートできたらと考えています。

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